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▼試行錯誤の中で・・・
現在アルカイール・アカデミーの校長を勤めるムハマッド・ムザヒル氏は、カラチ大学を卒業後、このアルカイール・アカデミーという教育支援活動をはじめる前に、スラム地域における人々の生活改善を目的に、いくつものボランティア活動を行ってきました。
それは、例えば引き売り用のテーリーと呼ばれるリヤカーを作り住民に供与するなど、物質的な支援を主体としたものでした。
しかしこれらの活動の成果は期待を裏切り、住民の生活は以前と変わりませんでした。
「人々の心に動かしがたい変化が生まれない限り、根本的な意味において何の良い変化ももたらさない。」とムザヒル氏は感じるようになりました。
▼教育の必要性
そこで「住民の生活を改善するためには長期的な視点をもって、子どもたちへの教育支援を行うことこそが重要」と考えたムザヒル氏は、1987年、カラチ市のニューカラチにあるムスタファ地区というスラム地域で10人の子どもたちを集めて教育支援を開始。
「第一歩」を踏み出しました。
▼親たちの説得から
とはいっても学校を始めた当時、親自身読み書きのできない人が多く、教育の意味は簡単には理解されませんでした。
子どもたちには学校へ行くよりむしろ家計を助けるために働いてほしいという気持ちが強かったそうです。
ムザヒル氏は親たちに教育の必要性を根気強く説きつづけました。
その結果、学校で学ぶ子どもたちは徐々に増えました。
学校で学んだ子どもたちが家に戻り両親にも影響を与え、衛生面の意識などにも変化が生まれました。
こうして学校の存在意義は少しずつ住民に認められ地域に開かれた場所となってきたのです。
現在アルカイール・アカデミーには、分校も合わせて5歳〜15歳までの子どもたち約2500人が通っています。
本校の授業は午前(8:00〜12:00)、午後(13:00〜17:00)の2部制で、ほとんどの生徒が半日は働き、半日は学校で過ごします。
授業はパキスタンの国語であるウルドゥー語で行われ、科目はウルドゥー語、英語、算数、理科、シンディー語、イスラム、などがあります。
▼子どもたちが学びつづけられるために
子どもたちの親は、小さな工場での仕事や日雇いの仕事、屋台の引き売り、タクシーやリキシャの運転手などをしていますが、賃金は安く仕事も安定していません。
そのため、子どもたちは幼いころから家計を支えるために仕事を始め、働きながら学校に通っています。
しかし賃金はわずかで、仕事の環境も大変厳しいものです。
10才を過ぎると(特に男子は)1日中働くために退学する生徒が増え、生徒数も急に減っていきます。
子どもたちが学びつづけられるために、アルカイール・アカデミーは生活状況が特に厳しい家庭には食料支援も行っています。
また子どもたちが学びながら職能を身につけられるようにと、2000年から日本のNGO「地球市民交流基金アーシアン」の支援を受けて職業訓練所が併設されました。
この職業訓練所には縫製科(女子)と電気技術科(男子)の2つのコースがあります。
▼カチラクンディ初等学校(分校)
カチラクンディはカラチ市の郊外にある広大なゴミ捨て場です。
カラチ市内には同様のゴミ捨て場がいくつかあり、集められたゴミは野焼きされています。
カチラクンディーには現在約3000人が暮らしていて、そのうち約2000人が子どもです。
人々は野焼きされたゴミの中から鉄や銅、アルミ、動物の骨などあらゆる有価物を収集し、それを業者に販売して生活しています。
学校は2002年3月、民家に隣接するかたちで建てられました。
現在は約300人の生徒が通っています。
子どもたちは家業である有価物の選別作業などを手伝いながら、半日だけ学校で過ごしています。
∵アルカイール福祉協会のプロジェクト(現地リーフレットより引用)
・アルカイール・アカデミー中等学校(本校)
・カチラクンディ初等学校(分校)
・アルカイール職業訓練所
・本校内に併設された診療所(分校の生徒も受入れ)
・アルカイールアカデミー事業部
(JFSAと協力して古着の輸入販売事業を行っています。事業収益をアルカイール福祉協会の運営費用にあてています。)

【特徴】
・授業料は無料
・必要な生徒への教材の無償提供
・必要な生徒への文具の無償提供
・必要な生徒への給食の無償提供
・必要な生徒の家族への食料支援(食料支援基金による)
・充実した図書館(本校)
・設備の整った実験室(本校)
・必修のコーランリーディングの授業
・必修の縫製の授業(女生徒)
・人格形成に重点をおく
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